本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
しかし実際はその逆で、上司の関根に言わせれば、修平は結婚に興味がないと思って諦めていた女性たちがそうではないと知り、慌てて接触を増やそうとしているのではないか、ということらしい。

『まんぷくちゃんからなら奪えそうだと思っているのかもな。みんな自信過剰だな。俺はなんとなくわかるよ。お前が彼女に惚れた理由を』

業務に関係のない話題をなにかと振ってくる関根を煩わしいと常々思っているので、この時も返事をしなかった。

けれども、関根の言葉が心に引っかかっている。

(俺は真琴に惚れているのだろうか?)

これまで異性に恋愛感情を持った経験がないため、わからないのだ。

はっきりと言えるのは、真琴が小粒ダイヤの婚約指輪をはめているのを見た時に心に痛みが走り、得体のしれない不快感を覚えたこと。

そして婚約解消された時には、このチャンスを逃してはいけないと直感したことだ。

修平からの突然のプロポーズに困惑して理由を尋ねた真琴に、見合いの話を断るためだと言ったが半分は嘘である。

伯父から電話がかかってきて見合いの話を持ちかけられたのは今年の初旬。
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