本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
これは自己解決するしかない問題で、修平に悩みをとも有してもらいたいとは少しも思っていない。

だから笑いながら軽い調子で言ったのに、修平の眉間の皺がかえって深まった。

「そこまで根深いものだとは思わず、これまで軽々しい返事をしてすまなかった」

「いえ、謝らないでください。名前のことは、漢字で考えたら女性らしい雰囲気だと修平さんに言われて、そうかもしれないと思ったんです。修平さんに真琴と呼ばれるのは嫌じゃありません。本当です。身長も、初めて小さいと言われて嬉しかったんですよ」

「それならいいが。ところで、真琴の求める〝女らしさ〟とはどのようなものだ?」

「え? えーと、私には不可能だとわかっていますけど、理想を言えば、体形は小柄で華奢。パステルカラーが似合いそうな可愛い顔立ちで、男性にはつけない名前の――」

そのような女性に憧れていると言いかけ、途中で言葉を切った。

その特徴で愛華を連想したからだ。

多大な迷惑をかけられた愛華にはいい印象を持てず、彼女のようになりたいとは思えなかった。

どうなりたいのかを見失った真琴は目を瞬かせ、修平は疑問を深めたように首を傾げた。
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