本能のまま、冷徹ドクターは新妻を愛し尽くす
胸を張って宣言すれば、修平が腕組みを解いて真琴の頭に手をのせた。

「それなら、真琴がさっき言った女らしさを求めるのはおかしいだろう。華奢な体形は非力だということ。現時点で弁当の詰まったフードテナーを一度に二段運べるとして、それが華奢な体形に変わったことによって一段ずつしか運べなくなったら、単純計算で仕事の能率は五十パーセント下がる」

「あっ、確かに」

「身長もそうだ。人間も含めたすべての脊椎動物は体長が大きいほど筋肉の総量は上がる。もし真琴が今より二十センチ背が低いのなら、販売効率も悪くなる。同じ時間で仕事を終わらせようとすれば、もうひとり従業員を増やさねばならず人件費がかさむだろう。もしくはトレーニングで筋力を鍛える必要がある。小柄で隆々な筋肉を持っていれば華奢な体形とは言えないが」

「確かに!」

職員の昼休憩とずれていては弁当が売れないため、訪問販売は一時間以内に各階を回らなければならない。

そのため時間との勝負でもあり、今の真琴でなかったらひとりで販売に来るのは難しいだろう。
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