双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
私は申し訳ない気持ちで、頭を下げる。
「ありがとう。でも言ってくれていたらよかったのに。待たせたんじゃない?」
「俺が迎えに行くって言ったら、春奈は気になって仲間との飲み会楽しめないだろう」
彼の返答に私は思わず感嘆する。
「雄吾さんって、本当にすごいなぁ」
「別に、なにもすごくないよ」
そう言って、雄吾さんは再び前を向いてしまった。
さりげない気遣いができる人に憧れる。いつもスマートで優雅で、他人に優しい。そのうえ仕事もできて、人気もある。
本当に、彼が私の手を取ってくれていることが不思議でならない。
私は彼の心が離れてしまわないようにと、雄吾さんの手を握っていた。
その後、近くのパーキングに止めてあった雄吾さんの車に乗り、約十分で彼のマンションに到着する。
すぐに着いたのもあるけれど、これといって会話という会話をせぬまま部屋まで来てしまった感じだ。
私は雄吾さんに促され、先にリビングに入り、バッグを隅に置かせてもらう。彼の部屋はいつ来ても整然としていて、ほっとする空間だ。けれども、今はまだちょっと雄吾さんとぎくしゃくしている感じがするから、いつもみたいに寛ぐような心境にまではなれずにいた。
私は後からやってきた雄吾さんを振り返り、平静を装う。
「ええと、雄吾さんはもう夕ご飯は......きゃっ」
ふいに手首を掴まれて、強引に引き寄せられる。
驚いて雄吾さんを見ると、彼は淡々として言った。
「手、握られていたね。俺が見た時には、もう告白された後だった?」
痛くてどうしようもないほど強くは握られていない。だけど、逃れられないくらいにはしっかり掴まれていて、この手の力加減から雄吾さんが怒っているのではないかと感じる。私は小刻みに首を横に振り、彼の疑念を否定した。
「ゆ、雄吾さんのことを聞かれたから、なんて答えようかって」
事実だ。嘘をついたりなんかしていない。
なのに、間近にいる雄吾さんから突き刺さるような視線が注がれて、無条件で怯んでしまう。
だって、これまで一度もこんなふうになる雄吾さんを見たことがないから。
「どうして? 『婚約者』のひとことで済む話だ」
雄吾さんに問われ、私は唇を引き結んだ。
彼の指摘はもっともで、たしかにそれが正解だったとは思う。頭ではそうわかっていても、咄嗟に気持ちがついていかなかった。
「ありがとう。でも言ってくれていたらよかったのに。待たせたんじゃない?」
「俺が迎えに行くって言ったら、春奈は気になって仲間との飲み会楽しめないだろう」
彼の返答に私は思わず感嘆する。
「雄吾さんって、本当にすごいなぁ」
「別に、なにもすごくないよ」
そう言って、雄吾さんは再び前を向いてしまった。
さりげない気遣いができる人に憧れる。いつもスマートで優雅で、他人に優しい。そのうえ仕事もできて、人気もある。
本当に、彼が私の手を取ってくれていることが不思議でならない。
私は彼の心が離れてしまわないようにと、雄吾さんの手を握っていた。
その後、近くのパーキングに止めてあった雄吾さんの車に乗り、約十分で彼のマンションに到着する。
すぐに着いたのもあるけれど、これといって会話という会話をせぬまま部屋まで来てしまった感じだ。
私は雄吾さんに促され、先にリビングに入り、バッグを隅に置かせてもらう。彼の部屋はいつ来ても整然としていて、ほっとする空間だ。けれども、今はまだちょっと雄吾さんとぎくしゃくしている感じがするから、いつもみたいに寛ぐような心境にまではなれずにいた。
私は後からやってきた雄吾さんを振り返り、平静を装う。
「ええと、雄吾さんはもう夕ご飯は......きゃっ」
ふいに手首を掴まれて、強引に引き寄せられる。
驚いて雄吾さんを見ると、彼は淡々として言った。
「手、握られていたね。俺が見た時には、もう告白された後だった?」
痛くてどうしようもないほど強くは握られていない。だけど、逃れられないくらいにはしっかり掴まれていて、この手の力加減から雄吾さんが怒っているのではないかと感じる。私は小刻みに首を横に振り、彼の疑念を否定した。
「ゆ、雄吾さんのことを聞かれたから、なんて答えようかって」
事実だ。嘘をついたりなんかしていない。
なのに、間近にいる雄吾さんから突き刺さるような視線が注がれて、無条件で怯んでしまう。
だって、これまで一度もこんなふうになる雄吾さんを見たことがないから。
「どうして? 『婚約者』のひとことで済む話だ」
雄吾さんに問われ、私は唇を引き結んだ。
彼の指摘はもっともで、たしかにそれが正解だったとは思う。頭ではそうわかっていても、咄嗟に気持ちがついていかなかった。