双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
 今までから唇を寄せたりしなかった。照れくささと恥ずかしさとで、雄吾さんに任せきりだった。だからだろう。彼は今すごく驚いた様子で声を漏らし、何度も重ねてきたキスとは違い、ぎこちない反応を見せている。
 けれども、なお私は彼の唇を奪い、緩急をつけて口づけながら両頬を包み込む。そのうちどちらのものかわからない吐息が漏れ、交ざり合い、蕩けていく。
 すると、ついに雄吾さんの手が動き、私の腕を掴んだ。
「こんなことして......この先は止まれないよ」
 感情を制御している彼は、低い声でそうささやいた。
 優しい雄吾さんのことは大好きだ。しかし、今はその優しさを取っ払って、激情をぶつけてほしい。
 そうすることで、自分が彼の特別だと刻まれる気がして。
「止まらないで......お願い」
 彼の胸の中に顔を埋め、懇願した。
「んう!」
 刹那、もうひとたび私は押し倒されて、深く口づけられる。
 強引に舌を絡ませ、私の呼吸のリズムなどお構いなしにまさぐって、敏感なところを休みなく攻め立てられる。
「あっ、あっ、あん」
 制御できない自分の声に恥じらいながらも、彼に愛されていることを実感して理性が薄れていく。彼もまた、かろうじて激情を抑えているように声を落としてつぶやく。
「今日はきっと抑えがきかない」
「んうっ、はっ、あぁ」
「......の、春奈......春奈」
 多分、雄吾さんは無意識に私の名前を繰り返し呼んでいた。アンニュイな表情と声で奏でられる私の名前を耳にするたび、身体の奥が反応する。
 彼からも色気たっぷりの吐息がこぼれ落ち、私はそれを愛しく思って気づけばキスをしていた。
 くちゅり、と音を立てて交わすキスは妖艶で、もうとっくに羞恥心など消えていた。
 もう我慢できないと思った時、彼もまた余裕のない顔をしているのがわかる。私は広い背中に手を回して頬を寄せて言った。
「......ほしい。ゆ、ご......さんと、の――あぁっ」
 突き上げてくる強い衝動が甘い快感へと変わる。私たちはすべての感情を曝して何度も抱き合った。

 気づけばもうすぐ午前零時を回る。
 つい先刻かなり乱れてしまった自分を思い出しては穴があったら入りたい一心で、頭からシャワーをかけ続ける。身体がすっきりしても、頭の中は恥ずかしさでいっぱいで、彼のもとに戻りづらいとさえ思っていた。
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