双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
触れてはいないものの、無意識にそのスマートフォンのディスプレイを見る。
瞬間、心臓がドクッと大きく跳ねた。
【今日の予定:果乃子ちゃん二十五歳の誕生日】
衝撃的な表示に頭の中が真っ白になって、ただ瞳にポップアップの文字を映し出す。
時間を見ると、ちょうど日付が変わり土曜日になった。だからきっと、スケジュールアプリに登録されていた今日の予定が通知されているのだと予測する。
驚きを隠せずに固まっていたら、スマートフォンのバックライトがふっと消えた。真っ暗なディスプレイになってもまだ、私は動けずにいる。
〝果乃子〟って、誰......?
あの日、バスルームから戻ってきた雄吾さんに真相をたしかめる勇気は出なかった。今日までに彼とは二度ほど会っているものの、到底切り出すことはできず。
そうして時間が経つにつれ、ますます聞き出せなくなっている。
こんなにことになるのなら、あの夜頑張って尋ねてみればよかった。
そう後悔しても、今さらなのだけれど。
週の終わりの午後七時前。私はカタカタとノートパソコンのキーボードを叩き、無心で仕事と向き合う。ときおり漏れ出そうなため息をこらえながら。
約半月もこうしてモヤモヤし続けているなんて。なんだろう。いつもなら......以前までなら、もっと決断も早くて怖いもの知らずといわんばかりに後先考えず飛び込んでいた気がする。
雄吾さんと出会って――ううん。雄吾さんが関わる事柄だから、一歩踏み出すのが怖くてがんじがらめになっている。
このやたらとマイナス思考に引きずられるのも、身体がだるく感じるのも全部恋煩いなのだろうか。
「......帰ろ」
入力作業がちょうど終わったところで支度をして、部署を出た。重い足でロビーを通過し、エントランスを抜ける。
今晩はなにを食べよう。なんだかここ数日、食欲がないんだよね......。まさか自分が思い悩んで生活に支障をきたすタイプだとは思わなかった。
俯きながら帰路を辿っていると、ふいに路上で呼び止められる。
「すみません。古関春奈さん、ですよね」
聞き覚えのない女性の声に、不思議に思って顔を上げる。
その人はとても顔が小さく、背丈が百七十センチくらいあって、艶々した黒髪をなびかせている。パンツスーツがよく似合う、キャリアウーマンという言葉が似合う女性だった。
瞬間、心臓がドクッと大きく跳ねた。
【今日の予定:果乃子ちゃん二十五歳の誕生日】
衝撃的な表示に頭の中が真っ白になって、ただ瞳にポップアップの文字を映し出す。
時間を見ると、ちょうど日付が変わり土曜日になった。だからきっと、スケジュールアプリに登録されていた今日の予定が通知されているのだと予測する。
驚きを隠せずに固まっていたら、スマートフォンのバックライトがふっと消えた。真っ暗なディスプレイになってもまだ、私は動けずにいる。
〝果乃子〟って、誰......?
あの日、バスルームから戻ってきた雄吾さんに真相をたしかめる勇気は出なかった。今日までに彼とは二度ほど会っているものの、到底切り出すことはできず。
そうして時間が経つにつれ、ますます聞き出せなくなっている。
こんなにことになるのなら、あの夜頑張って尋ねてみればよかった。
そう後悔しても、今さらなのだけれど。
週の終わりの午後七時前。私はカタカタとノートパソコンのキーボードを叩き、無心で仕事と向き合う。ときおり漏れ出そうなため息をこらえながら。
約半月もこうしてモヤモヤし続けているなんて。なんだろう。いつもなら......以前までなら、もっと決断も早くて怖いもの知らずといわんばかりに後先考えず飛び込んでいた気がする。
雄吾さんと出会って――ううん。雄吾さんが関わる事柄だから、一歩踏み出すのが怖くてがんじがらめになっている。
このやたらとマイナス思考に引きずられるのも、身体がだるく感じるのも全部恋煩いなのだろうか。
「......帰ろ」
入力作業がちょうど終わったところで支度をして、部署を出た。重い足でロビーを通過し、エントランスを抜ける。
今晩はなにを食べよう。なんだかここ数日、食欲がないんだよね......。まさか自分が思い悩んで生活に支障をきたすタイプだとは思わなかった。
俯きながら帰路を辿っていると、ふいに路上で呼び止められる。
「すみません。古関春奈さん、ですよね」
聞き覚えのない女性の声に、不思議に思って顔を上げる。
その人はとても顔が小さく、背丈が百七十センチくらいあって、艶々した黒髪をなびかせている。パンツスーツがよく似合う、キャリアウーマンという言葉が似合う女性だった。