双子ママですが、別れたはずの御曹司に深愛で娶られました
「もしもし! 雄吾さん? 今、大丈夫だったかな?」
『少しなら。さっきオフィスに戻ってきたところ』
オフィスにいるんだ。だったら簡潔に用件を伝えなきゃ。どのみち電話であのことを話すつもりはなかったし。
「あのね。明日の夜って空いてる......?」
できれば私の決意が揺らぐ前に、早く会って話したい。
そう思って聞いてみたものの、彼からは歯切れの悪い回答が返ってきた。
『あー、ごめん。明日は先約があって』
嫌な予感ほど的中するもの。
なんとなくスムーズに事が運ばないような気もしていたのだ。
私は内心焦慮に駆られながらも、その感情を声には出さずになんでもない雰囲気を装う。
「そっか。平日だしね。急にごめんね」
『本当にすまない。明後日、調整できるか後で確認してメッセージ送るよ』
「ありがとう。じゃあ、仕事もほどほどにね。お疲れ様」
最後までいつもの私を演じ、通話を切った途端重苦しいため息が口から漏れる。
その夜、ベッドに入った後に雄吾さんからメッセージが入っていた。
私はひどく眠くて、彼のメッセージを開くどころか受信していたことにも気づかず夢の中の世界に入っていた。
次の日は、ちゃんと寝たはずなのにまだ眠れたなと思うほど、寝起きが悪かった。
とはいえ、オフィスに着けば気を張って仕事と向き合うから、睡魔も影を潜めていた。
今日のスケジュールは、ほぼ一日外回り。
体調が思わしくない時に限って、という感じではあったものの、気合いでどうにか乗り切った。幸い今日は直帰していいと言われていたので、幾分か気が楽だ。
そして今日最後に回ったのは、港区にあるイタリアンレストラン。自社商品を卸している得意先で、オーナーとつい世間話に花が咲き、挨拶を終えて店を出た時は午後六時を過ぎていた。
せっかく早く上がれるチャンスだったのに、これならいつもと変わらないな。あ、でもここから帰宅なら少しは早く家に着くかも。
道々、なにか手軽にお腹に入れられるものでも買いだめして帰ろうかと考えつつ、駅方面へ足を進める。
もうすぐ十月も終わるから、だいぶ肌寒くなってきた。
秋風に肩を窄めて歩いていると、ふいに見覚えのある車が視界に入る。同時に心臓が大きく脈打った。
『少しなら。さっきオフィスに戻ってきたところ』
オフィスにいるんだ。だったら簡潔に用件を伝えなきゃ。どのみち電話であのことを話すつもりはなかったし。
「あのね。明日の夜って空いてる......?」
できれば私の決意が揺らぐ前に、早く会って話したい。
そう思って聞いてみたものの、彼からは歯切れの悪い回答が返ってきた。
『あー、ごめん。明日は先約があって』
嫌な予感ほど的中するもの。
なんとなくスムーズに事が運ばないような気もしていたのだ。
私は内心焦慮に駆られながらも、その感情を声には出さずになんでもない雰囲気を装う。
「そっか。平日だしね。急にごめんね」
『本当にすまない。明後日、調整できるか後で確認してメッセージ送るよ』
「ありがとう。じゃあ、仕事もほどほどにね。お疲れ様」
最後までいつもの私を演じ、通話を切った途端重苦しいため息が口から漏れる。
その夜、ベッドに入った後に雄吾さんからメッセージが入っていた。
私はひどく眠くて、彼のメッセージを開くどころか受信していたことにも気づかず夢の中の世界に入っていた。
次の日は、ちゃんと寝たはずなのにまだ眠れたなと思うほど、寝起きが悪かった。
とはいえ、オフィスに着けば気を張って仕事と向き合うから、睡魔も影を潜めていた。
今日のスケジュールは、ほぼ一日外回り。
体調が思わしくない時に限って、という感じではあったものの、気合いでどうにか乗り切った。幸い今日は直帰していいと言われていたので、幾分か気が楽だ。
そして今日最後に回ったのは、港区にあるイタリアンレストラン。自社商品を卸している得意先で、オーナーとつい世間話に花が咲き、挨拶を終えて店を出た時は午後六時を過ぎていた。
せっかく早く上がれるチャンスだったのに、これならいつもと変わらないな。あ、でもここから帰宅なら少しは早く家に着くかも。
道々、なにか手軽にお腹に入れられるものでも買いだめして帰ろうかと考えつつ、駅方面へ足を進める。
もうすぐ十月も終わるから、だいぶ肌寒くなってきた。
秋風に肩を窄めて歩いていると、ふいに見覚えのある車が視界に入る。同時に心臓が大きく脈打った。