冷厳な不動産王の契約激愛婚【極上四天王シリーズ】
プレジールは最近SNSでもおしゃれで本格的なカフェとして話題になっており、全国各地に店舗を増やしている。


「えっと……」
「いらないのか?」


まさか、残業しているのを知っていて買ってきてくれたの?

仕事以外の会話をほとんど交わしたことがなく、クールで他人には興味がない人だとばかり思っていた。
だからか、親切にされてびっくりした。


「秋月さんのコーヒーでは?」


尋ねると、彼は答える代わりにジャケットのポケットからガムシロップとミルクを取り出して私のデスクに置く。


「これもいるんだろ?」
「どうしてご存じなんですか?」


その通り、コーヒーには砂糖とミルクが必須のお子さま舌なのだ。


「ホイップ入りは恥ずかしくて買えなかった」


そして彼がぼそりと漏らしたひと言に噴き出した。

仏頂面の彼がレジ前で『ホイップ追加で』と話す姿を想像したからだ。


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