冷厳な不動産王の契約激愛婚【極上四天王シリーズ】
ようやくノートを返されて、バッグにしまう。


「それでは、お疲れさまでした」


彼を先に廊下に促して、空調と照明のスイッチを切ってオフィスを出ると、なぜか通路で秋月さんが待ち構えている。


「忘れものですか?」
「行くぞ」
「はっ?」


チラッと私に視線を送った彼は、長い脚を動かし始めた。


「送ってやる」
「とんでもない。ひとりで帰れます」


これまた小学生のような返答だ。

意外なことを言われたときの返しがうまくないと自分でも思う。


「そんなことはわかっている。車のほうが楽だろう?」


現在住んでいるマンションは、電車で二十五分、さらに駅から徒歩で十五分ほどかかる。

マンション前まで送ってもらえたら楽だけど、送ってもらうのも悪い。

というか、道中なんの話をしたらいいのかわからないというのが本音だ。


「秋月さんお疲れでしょうから、お気遣いなく。失礼します」


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