スパダリな夫はケダモノな本性を隠せない
「だって、凪沙にかわいく起こしてもらいたいし、いってらっしゃいのキスもしてもらいたいからね」
「悠真くん」

 ようやくわかってくれたようだ。こんなことなら、言いづらいなんて尻込みせずに早くに打ち明ければよかった。

 ようやく心の中にあったもやが消え、すがすがしい朝でも迎えた気分だ。

 これからも悠真の妻として、彼を支えていきたい。そんな決意に満ちていた凪沙の耳に、なにやら不穏な声が聞こえてくる。

「今回のことでわかったけど、俺がどれほど凪沙を愛しているのか。きちんと教えなくちゃダメだね」
「え?」
「愛が足りなかったから、かわいい文句や愚痴が言えなかったのかな?」
「え? え?」

 なんだか雲行きが怪しい。顔を引きつらせていると、彼はドキドキするほど素敵な笑みを浮かべてくる。

「もう、不安になんてさせないから安心してね、凪沙」

 それだけ言うと、彼は問答無用で身体中に唇を落としていく。
 息も絶え絶えに乱れる凪沙を見て、悠真はフフと笑い声を上げる。
 
「俺は、十分我慢していた。だから、今夜は我慢しないよ?」
「悠真くん?」
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