これって政略結婚じゃないんですか? ー彼が指輪をしている理由ー
それに対して、二次元にしか興味がなかった私は、全然浮いた話がなかったけれど、お互い特殊な性癖を堂々と赤裸々に語ることができる唯一の相手だった。
恋愛感情こそはないけれど、お互い四十歳になるまでに結婚ができなかったらカモフラージュで結婚しようかと冗談で言い合う仲だっただけに、私が突然『幼馴染と政略結婚することになった』のだから、まさしく青天の霹靂である。
最近は私が徹也くんとの件で慌ただしかったことと、弘樹も仕事で多忙を極め、こうしてゆっくりと顔を合わせるのも三か月くらい振りだろうか。
高校生の頃からずっと一緒にいたせいで、周囲からは私たちが長年恋人同士なのだとずっと勘違いされていた。学生の頃に弘樹を自宅へ招いたこともあり、一時期母にも交際を疑われていたけれど、私たちが全くそれらしい雰囲気じゃないことを悟ってからは、普通に受け入れてくれている。
私が徹也と婚約をしたことで、誤解もいずれ解けることだろう。
私は、この二か月の間に起こった出来事を弘樹に話した。
デリケートな内容だけに、電話やメールではなく、直接話を聞いてもらいたくて今日までずっと我慢していたのだ。人に聞かれるリスクはあるけれど、ざっと店内に視線を走らせたときに知り合いは誰もいなかったから大丈夫だろう。
恋愛感情こそはないけれど、お互い四十歳になるまでに結婚ができなかったらカモフラージュで結婚しようかと冗談で言い合う仲だっただけに、私が突然『幼馴染と政略結婚することになった』のだから、まさしく青天の霹靂である。
最近は私が徹也くんとの件で慌ただしかったことと、弘樹も仕事で多忙を極め、こうしてゆっくりと顔を合わせるのも三か月くらい振りだろうか。
高校生の頃からずっと一緒にいたせいで、周囲からは私たちが長年恋人同士なのだとずっと勘違いされていた。学生の頃に弘樹を自宅へ招いたこともあり、一時期母にも交際を疑われていたけれど、私たちが全くそれらしい雰囲気じゃないことを悟ってからは、普通に受け入れてくれている。
私が徹也と婚約をしたことで、誤解もいずれ解けることだろう。
私は、この二か月の間に起こった出来事を弘樹に話した。
デリケートな内容だけに、電話やメールではなく、直接話を聞いてもらいたくて今日までずっと我慢していたのだ。人に聞かれるリスクはあるけれど、ざっと店内に視線を走らせたときに知り合いは誰もいなかったから大丈夫だろう。