ラスボス聖女に転生してしまいました~婚約破棄され破滅する運命なので、生き延びるため隣国で錬金術を極めます~
レオンハルト様は紅茶に口をつけて私の返答を待っているみたいだが、なにを言えばいいのかまだわからない。
(どうしよう。本当のことをやはり話すべきなのだろうか。きっとゲームの中のリルアはそうしたのよね)
話したところで待っているのは幽閉されてもなお魔王として君臨する未来なのは知っている。
だからこそ私は悲劇を回避するためになにか気の利いたことを言わねばならない。
でも、その気の利いたセリフが一切思いつかない。だからどうしようという焦燥に駆られ、言葉が出てこないのだ。
「ふーむ。話せませんか。いえ、僕なりにリルアさんになにが起こったか推理はしていたんです」
「…………」
「魔力欠乏症などの疾患、不摂生で聖女には相応しくない外見に様変わりした、など色々と考えました。しかし見たところ魔力は高い水準を維持していますし、見た目は言うまでもなくお美しい」
早口でまくしたてられ、その上美しいとまで言われて私は顔が急激に熱くなる。
絶対に今の私、顔が真っ赤だ。色んな感情がごちゃまぜになって、きっと酷い顔をしている。
(参ったわね。どんな言い訳も通じなさそう)
ここまで理詰めでこられると下手に発言すればすぐ嘘がバレてしまう。
つまり私に残された選択は黙秘を貫くか、すべて話してしまうか……、その二択になる。
「ですから最初にお会いしたときはわかりませんでした。あなたが人質となってこの国に来られた本当の意味が。なにか深い事情があるのは察せられましたが……」
「レオンハルト様……」
「ただ、ここに来るまでの道程で一つだけ。あなたが不自然に自らの魔力で自らの魔力を抑えていること。それが気になりました」
まさかわからないというのは初対面での印象の時点だとでもいうの?
私は今、この方と会って心底恐怖に近いものを感じている。
レオンハルト様のすごさというのは、もしかしたら錬金術の知識だけではないのかもしれない。
「そこから推測した答えは非常に恐ろしいものです。できれば不正解であってほしいと願いながら質問します」
「…………」
「リルアさん、あなた魔王の後継者になったのではありませんか? それなら溢れ出る闇の魔力を抑えているという解釈が成り立つのですが、いかがでしょう?」
「な、なんでそこまで……。あっ!」
「ふっふっふ……」
(どうしよう。本当のことをやはり話すべきなのだろうか。きっとゲームの中のリルアはそうしたのよね)
話したところで待っているのは幽閉されてもなお魔王として君臨する未来なのは知っている。
だからこそ私は悲劇を回避するためになにか気の利いたことを言わねばならない。
でも、その気の利いたセリフが一切思いつかない。だからどうしようという焦燥に駆られ、言葉が出てこないのだ。
「ふーむ。話せませんか。いえ、僕なりにリルアさんになにが起こったか推理はしていたんです」
「…………」
「魔力欠乏症などの疾患、不摂生で聖女には相応しくない外見に様変わりした、など色々と考えました。しかし見たところ魔力は高い水準を維持していますし、見た目は言うまでもなくお美しい」
早口でまくしたてられ、その上美しいとまで言われて私は顔が急激に熱くなる。
絶対に今の私、顔が真っ赤だ。色んな感情がごちゃまぜになって、きっと酷い顔をしている。
(参ったわね。どんな言い訳も通じなさそう)
ここまで理詰めでこられると下手に発言すればすぐ嘘がバレてしまう。
つまり私に残された選択は黙秘を貫くか、すべて話してしまうか……、その二択になる。
「ですから最初にお会いしたときはわかりませんでした。あなたが人質となってこの国に来られた本当の意味が。なにか深い事情があるのは察せられましたが……」
「レオンハルト様……」
「ただ、ここに来るまでの道程で一つだけ。あなたが不自然に自らの魔力で自らの魔力を抑えていること。それが気になりました」
まさかわからないというのは初対面での印象の時点だとでもいうの?
私は今、この方と会って心底恐怖に近いものを感じている。
レオンハルト様のすごさというのは、もしかしたら錬金術の知識だけではないのかもしれない。
「そこから推測した答えは非常に恐ろしいものです。できれば不正解であってほしいと願いながら質問します」
「…………」
「リルアさん、あなた魔王の後継者になったのではありませんか? それなら溢れ出る闇の魔力を抑えているという解釈が成り立つのですが、いかがでしょう?」
「な、なんでそこまで……。あっ!」
「ふっふっふ……」