ラスボス聖女に転生してしまいました~婚約破棄され破滅する運命なので、生き延びるため隣国で錬金術を極めます~
しまった! なんて馬鹿なんだろう。私は……。
そんな反応をしたらレオンハルト様の問いに対してイエスと答えているも同然なのに……。
わかりやすい反応をしたのがおかしかったのか、彼は笑いながらこちらを見ていた。なんだかすごく恥ずかしい。
「おっと失敬。笑ってはいけませんね。……ですが、リルアさん。あなたは実に正直者です。さすがは聖女様とでも言いましょうか」
「うっ……」
確かにレオンハルト様の言うとおり嘘は苦手だ。
できるだけ黙っておこうと思ったのもそれが理由でもある。
しかし今のは誰だって驚くところだろう。
なんせレオンハルト様はズバリと言い当てたのだから。
まだ会ってティータイムをともにしただけなのに私が魔王の後継者ということまで見抜いてみせたのだから。
ゲーム内でも屈指のチートキャラクターと言われる錬金公爵。まさかこれ程の人だったとは……。
「よろしい。それだけわかれば十分です。紅茶のおかわりはいかがです?」
「えっ?」
いや、なんでここで紅茶を? 私は呑気そうな声を出す彼に驚く。
魔王の後継者だと知ってもレオンハルト様の穏やかな表情はまったく崩れていないのだ。
(人質だと送られた聖女が魔王だった、なんて大事だと思うんだけどな)
まるで世間話の延長のように私の秘密を知ってもなお受け流す彼は一体なにを考えているのだろうか。
「あの、私を殺さないんですか?」
「えっ? 僕がリルアさんを殺すですって? 一体なぜですか?」
これは単純な疑問だ。
ゲームでも幽閉されているまでにとどまり、リルアは殺されないまま魔王になってしまった。
レオンハルト様にどういう考えがあるのか私は気になっている。
「このままだと私は魔王になります。おそらくこのようなハーブティーでは魔力は抑えられないでしょう。それならば今のうちに殺しておいたほうがアルゲニア王国のためではありませんか?」
この魔力を封じるハーブティー。見事だと思うが魔王の規格外の魔力を封じられるほどだとは思えない。
それは私よりもずっと優秀なレオンハルト様もわかっているだろう。
私をこのまま生かすのはこの国にとってマイナスでしかない。生かす理由がないと言ってもいい。
「僕はね、錬金術師なんてやっていますが結構信心深いんですよ」
「はぁ……」
そんな反応をしたらレオンハルト様の問いに対してイエスと答えているも同然なのに……。
わかりやすい反応をしたのがおかしかったのか、彼は笑いながらこちらを見ていた。なんだかすごく恥ずかしい。
「おっと失敬。笑ってはいけませんね。……ですが、リルアさん。あなたは実に正直者です。さすがは聖女様とでも言いましょうか」
「うっ……」
確かにレオンハルト様の言うとおり嘘は苦手だ。
できるだけ黙っておこうと思ったのもそれが理由でもある。
しかし今のは誰だって驚くところだろう。
なんせレオンハルト様はズバリと言い当てたのだから。
まだ会ってティータイムをともにしただけなのに私が魔王の後継者ということまで見抜いてみせたのだから。
ゲーム内でも屈指のチートキャラクターと言われる錬金公爵。まさかこれ程の人だったとは……。
「よろしい。それだけわかれば十分です。紅茶のおかわりはいかがです?」
「えっ?」
いや、なんでここで紅茶を? 私は呑気そうな声を出す彼に驚く。
魔王の後継者だと知ってもレオンハルト様の穏やかな表情はまったく崩れていないのだ。
(人質だと送られた聖女が魔王だった、なんて大事だと思うんだけどな)
まるで世間話の延長のように私の秘密を知ってもなお受け流す彼は一体なにを考えているのだろうか。
「あの、私を殺さないんですか?」
「えっ? 僕がリルアさんを殺すですって? 一体なぜですか?」
これは単純な疑問だ。
ゲームでも幽閉されているまでにとどまり、リルアは殺されないまま魔王になってしまった。
レオンハルト様にどういう考えがあるのか私は気になっている。
「このままだと私は魔王になります。おそらくこのようなハーブティーでは魔力は抑えられないでしょう。それならば今のうちに殺しておいたほうがアルゲニア王国のためではありませんか?」
この魔力を封じるハーブティー。見事だと思うが魔王の規格外の魔力を封じられるほどだとは思えない。
それは私よりもずっと優秀なレオンハルト様もわかっているだろう。
私をこのまま生かすのはこの国にとってマイナスでしかない。生かす理由がないと言ってもいい。
「僕はね、錬金術師なんてやっていますが結構信心深いんですよ」
「はぁ……」