地味子なのに突然聖女にされたら、闇堕ち中の王子様が迎えにきました
苛立つ三男のアベルとジゼル。自分達は戦っているのに、一人だけ戦場でそぐわない行為をしていることに腹立っていたのだ。
「ねえ、こいつ、もう切っていい?」
「大衆の眼前で発情してんじゃねぇ。おい、いい加減にしろ」
誰かが、止めなければずっと2人でひっついていそうだった。ぐいっとアベルがレオの肩を掴んで引き離すと、金色の瞳が眼光鋭くアベルを睨む。
「おい、大丈夫かよ」
先のこともあって、不安げに声をかけるアベル。レオは引き離されて我に返ったか、やっと現状を思い出した。
すごく気分が良い。今まで足枷にされていたものが取り払われたような、体が軽くて清々しい。
力試しがしたい。血飛沫を上げ、傷を負って多少は動きがトロくなっているが、兄貴の斧で切り落とせない位、頑丈な太い首はまだ繋がっている。
ジャンガルラの元へ走り出し、腰から剣を抜くと心臓へ一突き、ぐっと剣身全てをジャンガルラの体へ差し込んだ。そのまま大きな巨体は小さく息をひゅっと吸って横へドスンと倒れた。
周囲が唖然とする中、涼しい顔をしてイヴのところへ戻ってくる。そう、命令はあくまで、この少女の護衛と見失わないように見張っていることだったため。
一部始終見てたグレンが弟のレオの変化に気づく。
レオがジャンガルラに1人向かって行く様子を見て、ヘルプに入ろうと思ったが、一撃で心臓を突いて仕留めた。そのレオの動きは普段の戦闘よりもキレがあったように見える。
いきなり少女とイチャつき始めたかと思ったら、突然ジャンガルラへ向かっていった。無茶なことをする奴ではない、勝てるという算段と自信があったから、相談なしに1人で向かったのだろう。
あの少女との接吻が関係しているのか。考え込んでいるのはグレンだけではなく、アベルとジゼルも同様にレオへの少女の影響を思案していた。
そして、3階席では静かに高揚するシルヴィアとローブを纏った謎の男がいた。
今、レオとイヴの交わりから魔素の流れを目で認識できたのはこの2人のみ。
2人の体が繋がって、体の中を巡る魔素。レオの方は元々魔素が悪性化しやすく、やがて自分の精神に異常をきたす。
それを浄化し力へ還元することができる対の相手、イヴ。
そして、彼女にはもう一つ、大きな役割をエマから課された。それは人々の祈りを集約し叶える願望機として、エマからこの世界の命運を託されたのだ。
何十年、何百年、とこの時を待ち焦がれたか。約1000年前の災厄後、栄華を極めた世界は一度滅びかけた。その災禍の中心にいた3人に、今までの人の業が全て罰として降りかかり贖罪を強いられたのだった。
1人は朽ちぬ体となって3日に1度しか目覚めることができなくなり、1人は朽ちぬ魂を持たされ新しい器(肉体)へ代替することを余儀なくされ、1人は地下深くこの世界を維持するため半永久的に眠らされることとなった。
痛くとも辛くとも、自ら人生を終わらせることができない。終わりのない終身刑、人の業とはこれ程までに深く強いものだったのか。
しかし、この贖罪は次の災厄で終わらせる。3人が生かされているのは、次の災厄を防ぐため。その役目を終えたら、やっと楽になれるのだ。
言葉を交わさずとも、シルヴィアと謎の男は確信していた。
次の災禍の中心はあの2人だ。あの2人が、私達へ引導を渡してくれる。
「ねえ、こいつ、もう切っていい?」
「大衆の眼前で発情してんじゃねぇ。おい、いい加減にしろ」
誰かが、止めなければずっと2人でひっついていそうだった。ぐいっとアベルがレオの肩を掴んで引き離すと、金色の瞳が眼光鋭くアベルを睨む。
「おい、大丈夫かよ」
先のこともあって、不安げに声をかけるアベル。レオは引き離されて我に返ったか、やっと現状を思い出した。
すごく気分が良い。今まで足枷にされていたものが取り払われたような、体が軽くて清々しい。
力試しがしたい。血飛沫を上げ、傷を負って多少は動きがトロくなっているが、兄貴の斧で切り落とせない位、頑丈な太い首はまだ繋がっている。
ジャンガルラの元へ走り出し、腰から剣を抜くと心臓へ一突き、ぐっと剣身全てをジャンガルラの体へ差し込んだ。そのまま大きな巨体は小さく息をひゅっと吸って横へドスンと倒れた。
周囲が唖然とする中、涼しい顔をしてイヴのところへ戻ってくる。そう、命令はあくまで、この少女の護衛と見失わないように見張っていることだったため。
一部始終見てたグレンが弟のレオの変化に気づく。
レオがジャンガルラに1人向かって行く様子を見て、ヘルプに入ろうと思ったが、一撃で心臓を突いて仕留めた。そのレオの動きは普段の戦闘よりもキレがあったように見える。
いきなり少女とイチャつき始めたかと思ったら、突然ジャンガルラへ向かっていった。無茶なことをする奴ではない、勝てるという算段と自信があったから、相談なしに1人で向かったのだろう。
あの少女との接吻が関係しているのか。考え込んでいるのはグレンだけではなく、アベルとジゼルも同様にレオへの少女の影響を思案していた。
そして、3階席では静かに高揚するシルヴィアとローブを纏った謎の男がいた。
今、レオとイヴの交わりから魔素の流れを目で認識できたのはこの2人のみ。
2人の体が繋がって、体の中を巡る魔素。レオの方は元々魔素が悪性化しやすく、やがて自分の精神に異常をきたす。
それを浄化し力へ還元することができる対の相手、イヴ。
そして、彼女にはもう一つ、大きな役割をエマから課された。それは人々の祈りを集約し叶える願望機として、エマからこの世界の命運を託されたのだ。
何十年、何百年、とこの時を待ち焦がれたか。約1000年前の災厄後、栄華を極めた世界は一度滅びかけた。その災禍の中心にいた3人に、今までの人の業が全て罰として降りかかり贖罪を強いられたのだった。
1人は朽ちぬ体となって3日に1度しか目覚めることができなくなり、1人は朽ちぬ魂を持たされ新しい器(肉体)へ代替することを余儀なくされ、1人は地下深くこの世界を維持するため半永久的に眠らされることとなった。
痛くとも辛くとも、自ら人生を終わらせることができない。終わりのない終身刑、人の業とはこれ程までに深く強いものだったのか。
しかし、この贖罪は次の災厄で終わらせる。3人が生かされているのは、次の災厄を防ぐため。その役目を終えたら、やっと楽になれるのだ。
言葉を交わさずとも、シルヴィアと謎の男は確信していた。
次の災禍の中心はあの2人だ。あの2人が、私達へ引導を渡してくれる。