その溺愛は後出し不可です!!

 オフィスフロアから、居住区フロアへとエレベータを乗り換えてからも胸の高鳴りが抑えられない。
 今から二人きりで何をするのか。すべて分かった上で一緒にいるのだから。
 逃さないと言わんばかりに腰に手が回され、身体同士をピタリとくっつけられている。吐く息が熱い。
 昴の胸の鼓動を感じたくて、果歩は額を寄せた。
 誰も乗ってこないことを良いことに、昴から耳の裏にキスをされる。
 よほど待ちきれないのだろう。ブラウスの襟が引っ張られ、うなじにまで悪戯な唇が這わされていく。
 篝からエレベーターでイチャつくなと注意されたばかりなのに。

「もうっ……恥ずかしいよ……」

 くすぐったくて身を捩らせれば、昴が甘く囁く。

「感じてるの?可愛い……」

 優しい昴からは想像もできない意地の悪さだ。果歩はそれすらも喜びを感じていた。まるで夢のようだった。
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