ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
これだけはちゃんと言っておきたいのだが、雨脚が強まって泊まることになったのは、完全に不可抗力だ。日帰りのつもりだったんだ、本当に。
まぁ……もちろん、宿泊できるよう清掃の徹底を指示していた時点で、多少なりとも下心があったことは否めないが。
たぶん、あの夜誘えば、ほぼ間違いなくセックスまで持ち込めただろう。彼女だって、その気はあったんじゃないかと思ってる。
もう一度彼女を抱くというオレの目的は、達成できたはずだった。
しかし、彼女への恋情を自覚してしまい、事態は変わった。
オレは持てる限りの理性を総動員して、彼女を自分とは違う部屋へ案内した。
雷は次第に遠ざかっていたし、例え雷から守るという名目があったとしても同じ部屋で過ごせば我慢できないことはわかっていたから。
その心細げな後ろ姿がドアの向こうに消えた後、閉じたそれを未練たらしく見つめてしまったことは否定しない。
雷が怖いから一緒にいてほしい、そう言って彼女が来てくれないかと、隣の部屋に入った後壁の向こうの気配を探ってしまったことも。
彼女のことは欲しい。抱きたいと思う。
ただ……今や欲しいのは身体だけじゃない。彼女のすべてだ。
つまり、身体を繋げる前にこの気持ちを伝え、彼女の気持ちを確かめなきゃいけない。
しかしそのための舞台として、あの夜は相応しいとは思えなかった。