ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

あのデートで終わりにしようって、思ってた。
それで、マンションを出て行こうと。

このままじゃ想いは募るばかりで苦しくてたまらないし。私が関わってる事情から考えても、彼を巻き込まないためには離れた方がいいって思ったから。

それでも、全く揺れなかったわけじゃない。
ペンダントをもらった時は、嬉しくてもう少しで告白しそうになった。

泊まることが決まって何かが起きるんじゃないか、ううん、いっそこっちから……って、浅ましいことまで考えてた。ジムで貴志さんにバッタリ遭遇することを期待したキララと、私も大差ないってことだ。ほんと、恥ずかしい。


――織江はこの部屋使って。中にバスルームもあるから、自由にしていい。オレは隣を使うから。じゃあな、お休み。

実際は、迷うことなく自分とは別の部屋を私にあてがった貴志さん。

本当にまだ私のカラダを求めていたなら、同じ部屋にしたと思う。
なのに、違う部屋だった。手を出さなかった。それがすべてだろう。

大事に、とかそういうことじゃない。
同居人以上の興味がなくなってしまったってこと。

その証拠に、あのデート以降多忙を理由に彼はずっとホテルに寝泊まり。まったくマンションに帰ってこない。社内で仕事の話をすることはあるけど、ごく事務的な会話だけ。以前のような、甘いジョークもスキンシップも皆無になってしまった。

気づかれたのかもしれない、私がひた隠してきた恋心に。
それで、ただの遊びのつもりだったのにこれ以上本気になられたらマズいって思って……

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