ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
ドッドッドッドッ…………
全身がドラムになったように、鼓動がうるさく轟いてる。
ウソ……ホント……?
貴志さんが、私を、好き?
またいつものジョーク? 揶揄われてるだけ?
白く塗りつぶされた思考回路じゃ、何もリアクションなんてできるわけない。
「気持ちに気づいたらもう、止まらなくて。どうしていいかわからなかった」
ただただ震えて立ち尽くす私の耳元を再び熱いささやきが掠めて、膝から崩れそうになった。
嘘でしょ、そんな夢みたいな、こと……
「織江のこと、めちゃくちゃにしそうな自分が怖かった。でも、もしかして織江の方は違うかもしれない、こんな気持ちはオレだけかも……って。情けないけどこの1週間、悶々と悩んでた」
うなじに、耳たぶに、触れるやるせない吐息が彼の気持ちをダイレクトに伝えてくれて、胸の奥が熱くなった。
「じゃあ、パーティーの後素面で伝えたいって言ってたのは……?」
「あぁ、好きだって、告白したかったんだ。侑吾が割り込んでこなきゃ、もうちょっとロマンチックな雰囲気で言える予定だったんだけどな」
サラサラ髪の間からチラ見えた耳たぶは、ほんのり赤く染まってる。
仕事もプライベートもなんでも用意周到にスマートにこなしてしまう彼が、まさかこんなに動揺してるなんて。
信じていいの?
ほんとに両想い?
「織江」
身体を起こした貴志さんは私を片腕に抱き、空いている方の手で私の頬に優しく触れた。
「君の気持ちを聞かせてくれ」
曇りのない美しい双眸に真っすぐ見つめられて、引きずられていく自分を自覚する。気持ちがあふれて、駆け出しそうになる。
好きですって、私も同じ気持ちですって――
「貴志、さん、私、あのっ……」
あぁ……ダメ、ダメだ。
何も感じちゃダメ。しっかりして、織江!
「答えてくれないなら――イエスだと判断して、これ以上我慢するつもりはないぞ?」
とろりと媚薬を含んだような甘い声が誘い、導かれるまま視線を上げれば、そこにはキングサイズのベッドがあって……
至福のひと時への期待が波のように押し寄せ、全身を甘い感覚で満たしていく。
抱かれたい。めちゃくちゃにされたい。