ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

嫌悪感を露わにした口調で貴志さんが言ってくれたけど、キララの余裕の笑みは消えなかった。

「仕方ないんですぅ。証拠だってありますしー」

証拠?
なんのことかと眉を寄せる私の目の前で、どこから取り出したのか、彼女はマジシャンがカードを広げるように、複数枚の写真らしきものを扇状に広げて見せた。

「身内の恥なんですけどぉ。やっぱり村瀬さんにはきちんとお知らせしておいた方がいいですよね?」

もったいぶった風にゆっくりと、彼女はそれを会議机へ並べていく。

一枚一枚……露わになっていくごとに、自分の顔から血の気が引いていくのがわかった。

写真に映っていたのは、確かに私と男性のツーショットだった。
一枚ごとに違う相手だ。20代から50、60代ごろまで様々な年齢の男性と、カフェで、居酒屋で、公園で、2人きりで話をしているところ。

「これ、は……」

喉に声が貼り付いて、うまく発音できない。

合成写真なんかじゃなく本物であることは、私が一番よく知ってる。
隠し撮りされたんだ。
どうして……どうしてキララが、こんな写真を持ってるの?

「お姉ちゃんの好みってよくわかんない。ストライクゾーン広すぎじゃない? それともお金もらえればどんな人でもいいわけ? いくらもらったの? キララは知らないけどさ、パパ活っておしゃべりするだけなの? それともその先も込み? ちゃんと村瀬さんの前で言ってみてよ」

「…………」

酸素が上手く吸えなくて、呼吸が乱れていく。
くらりと眩暈がして、必死で傍のパイプ椅子を掴み、自分を支えた。

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