ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
ひゅっと喉の奥で空気が鳴る。
どう答えるべきか、僅かに迷う。
自分が悪者になるのは構わないが、その後の展開が読めなかったから。
彼がキララとお見合い、あるいは結婚、なんてことになったら……それも困る……
「……特に、ありません」
とりあえず流れに身を任せることにしてそう答え、逸らしたくてたまらない視線を懸命に彼へと合わせた。
彼の両脇で、白く節が浮くほど拳がきつく握り締められる。
微かに震えているのがわかり、胸がギュッと痛くなった。
「……じゃあ認めるのか。妹の見合いと知っていて、写真をすり替えたと。オレとの結婚が、金が目当てで、オレに近づいたと」
険しい口調で問いただしながらもその双眸は哀しみの色に染まっていて……
違う。
違う。
そんなわけないでしょう?
目の奥が熱くなっていく。
好きなのに。
こんなに好きなのに……
心の中で叫びながら、漏れそうになる嗚咽を必死に飲み下した。