ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

2人の間ですでに話がついていたらしく、すぐにノリちゃんはお店を出て行き、入れ替わるように高橋さんが私の前へ腰を下ろした。

「元気そうでよかった。トケそうなくらい暑いわよねぇ毎日毎日」

高橋さんは微笑み、天気とか予定中の旅行の話とか、当たり障りのない話を朗らかに口にする。こっちを責めようという空気は微塵もなくて、それが余計につらかった。

だから私は、彼女が注文した品(アイスティー)が届くや否や、テーブルにぶつける勢いで頭を下げた。

「あのっノリ、嶋さんから聞きました。妹が大変ご迷惑をおかけしているようで、本当に申し訳ありませんっ」

「そうねぇ、いきなりの交代は、やっぱりちょっと困ったわね」
「ほんとに、すみませんっ」

「派遣会社の方からは、彼女の優秀さをアピールする資料が大量に送られてきたんだけど。あれもどこまで本人のものか、怪しいわね」

「そ、それはっ……すみません……」

「まぁ、フォローがついてようやく雑用くらいならできる、というレベルかしら」

穴があったら入りたい気分だった。

私よりずっと長期間留学してたし、英語力くらいは問題ないと思ってたのに……まさかそれ以前の問題だったとは。ウザいって追い払われても、せめて最低限の社会人としてのマナーは教えておくべきだった。
小さくなった私は、とにかくもう一度謝ろう、と口を開きかけた。

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