ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
「そこでね、提案なんだけど」
「え? は、はい」
「あなたの妹を一人にカウントできないと、やっぱり人員がどうしても不足してしまうのよ。それでね、秘書室で早急に一人、中途社員を募集する予定なの。山内さん、受けてみる気ない?」
「え……」
私に話って、それ?
私を、正社員に?
「妹さんにはどこか別の部署を用意するわ。彼女にもできそうな仕事をこちらで探すつもり。だから何も心配しなくていいのよ」
リーズニッポンに戻れる?
キララと顔を合わせることなく、また秘書室に……?
束の間、気持ちが浮き上がって。
けれどすぐに、シャボン玉のようにあっけなく弾けて消えた。
「それは……お気持ちはものすごく嬉しいんですが、その……副社長がお許しにならないと思います」
――じゃあ認めるのか。妹の見合いと知っていて、写真をすり替えたと。オレとの結婚が、金が目当てで、オレに近づいたと。
――彼女を義姉と呼ぶなんて、まっぴらだ。
哀しみ、そして軽蔑に染まったあの視線……彼は一生、私を許さない。
「ねぇ……」
小さく、躊躇いを含んだ声音が呼ぶ。
日本人形みたいな艶やかな黒髪を揺らし、高橋さんが私を覗き込んだ。