ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

焦燥感に追い打ちをかけるように、織江が隣の男に微笑むのが見え、ジリジリと胸の奥が焦げた。

止めろ、そんな笑顔を男に見せるな。

未だに未練がましくそんなことを考えてしまう自分に呆れつつ、割り込みたくなる自分を何度も宥めていたのだが――次の瞬間、本当に息が止まりそうになった。

男が胸ポケットから事務用っぽい茶封筒を取り出し、差し出すのが見えたのだ。

織江は目を丸くして固辞するように首を振るが、男は「いいからいいから」とでも言うように押し付けている。

あれは、まさか……金?

脳が答えをはじき出すや否や全身の血が沸騰するような心地がして、オレの中でプツリと何かが切れた。

椅子を蹴倒す勢いで立ち上がり、大股で彼女たちを目指す。
そして無言のまま2人の間に手を伸ばすと、その封筒を奪っていた。

「え……た、貴志さんっ!?」

呆然と目を見開く織江に構わず、チラリと中を覗く。
予感は的中。中身は金だった。
パッと見ただけだが、この厚みならせいぜい10万あるかないか。

破り捨てたくなるのを、戦慄く手でなんとか堪えた。

「へぇ……これが君の値段ってことか」

自分でもゾッとするほどの冷たい低音で言う。

あぁそうか。これがパパ活。
こういう金で、彼女は思い通りになるのか。

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