ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
どうしてそんな顔をする?
妹から奪ってまで、オレと結婚したかったんじゃないのか?
金が欲しいんだろう?
オレのものになれば、好きなだけくれてやると言っているのに。
それとも……別の男のことでも考えているのか?
唐突に頭に浮かんだのは、“S”のこと。
さっきの男のことは“今井”と呼んでいたから、Sはきっと別の誰か。
もしそいつが、彼女が貢いでいる男だったら……。
理性が焼き切れるほどの嫉妬を覚え、彼女の顎を掴んでオレと視線を結ばせた。
「残念だったな。ここで止めてやるほど、オレは優しくない」
ひび割れた声で宣言し、再びその美味そうな唇に食らいつく。
その隙間からぬるりと舌を入れ――
「んぅっ……待っ……ダメ、ですっ……」
オレに貪られ、息も絶え絶えになりながら、彼女はシーツを蹴ってなおも逃げようともがいた。
「悪いな。聞いてやれない」
わざと感情を殺した声で言い、ブラウスのボタンを引きちぎる勢いで強引に外していく。
瑞々しい素肌と白い胸元が露わになっていき――……束の間、オレは瞠目して手を止めた。
服の下、デコルテにペンダントが輝いていたからだ。
ピンク色の紫陽花をモチーフにしたそれは、間違いなく鎌倉デートの時にオレが贈ったヤツ。
ブランドものでもないそれを、なぜ彼女がまだ持っているのか、服の下に隠すように身に着けているのか……?