ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

どうしてそんな顔をする?
妹から奪ってまで、オレと結婚したかったんじゃないのか?
金が欲しいんだろう? 
オレのものになれば、好きなだけくれてやると言っているのに。

それとも……別の男のことでも考えているのか?

唐突に頭に浮かんだのは、“S”のこと。

さっきの男のことは“今井”と呼んでいたから、Sはきっと別の誰か。
もしそいつが、彼女が貢いでいる(本命)だったら……。

理性が焼き切れるほどの嫉妬を覚え、彼女の顎を掴んでオレと視線を結ばせた。

「残念だったな。ここで止めてやるほど、オレは優しくない」

ひび割れた声で宣言し、再びその美味そうな唇に食らいつく。
その隙間からぬるりと舌を入れ――

「んぅっ……待っ……ダメ、ですっ……」

オレに貪られ、息も絶え絶えになりながら、彼女はシーツを蹴ってなおも逃げようともがいた。

「悪いな。聞いてやれない」

わざと感情を殺した声で言い、ブラウスのボタンを引きちぎる勢いで強引に外していく。

瑞々しい素肌と白い胸元が露わになっていき――……束の間、オレは瞠目して手を止めた。

服の下、デコルテにペンダントが輝いていたからだ。
ピンク色の紫陽花をモチーフにしたそれは、間違いなく鎌倉デートの時にオレが贈ったヤツ。

ブランドものでもないそれを、なぜ彼女がまだ持っているのか、服の下に隠すように身に着けているのか……?

< 268 / 345 >

この作品をシェア

pagetop