ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
「も、申し訳ありません。お客様のプライベートな情報は、お教えできないことになってまして」
すまなそうにしながらも、きっぱりとした口ぶりは揺らがない。
なるほど、ママの教育が行き届いているということか。
まぁいい。
オーナーの侑吾に聞けば、きっとわかるだろう。
なんとか冷静さを取り戻したオレは、掴んでた腕を放した。
「悪い、痛くなかったか?」
やっぱりどうかしてる。
こんなに熱くなるなんて――と自分の行動に呆れながら、「いえ、大丈夫です」と笑顔を見せる彼女に続いてソファへと戻りかけた。
と、その時オレの視界に、再度例の一団が映り込んだ。
そしてもう一度、ハッとした。
一団の中にもう一人、知ってる顔を見つけたのだ。
あれは……週刊文冬の記者だよな。
中条瑠衣と結託してオレの写真を撮ったヤツだ、間違いない。
席順から見て……アロハ男は文冬記者と一緒に主賓をもてなす立場、に見える。ということは、同僚か、あるいは……同業者か……
そこまで考えたところで、全身へ、雷に打たれたかのような衝撃が走った。
そしてその後に来たのは、立ち込めていた霧が一気に晴れていく爽快感――
思い出した。
――副社長、副社長っ!
――リアルデイズです、ちょっとだけお話聞かせてくださいよ!
そうだ、オレを追いかけまわしていたマスコミ連中の中に、確かにあいつがいた。
あいつは、週刊誌の記者だ。