ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

しかし……マスコミと織江、だって?

予想外の組み合わせに面食らった。

もちろん、雑誌の記者だって女性と付き合うだろう。

ただ、もっと単純に考えるならば。
仕事絡み? 何かの取材……とか。

リアルデイズと言えば、芸能ネタも扱うが、どちらかというと硬派な社会派ネタを得意とすることで知られている。

織江にパパ活の取材? いや、そんなことをペラペラしゃべるわけないだろう。
あるいは、全然違う類の取材だという可能性も……。

その場合、あの金はオレの想像とは違う意味を持つことになる。

微かな期待はたちまち大きく膨れ上がり、オレは浅くなっていく呼吸を自覚した。

「……君に、頼みたいことがある。これをあの男に渡してくれないか。そしてオレがここで待っていると、話があると、彼に伝えてほしい」

そう言って自分の名刺を渡すと、ホステスは困惑げにオレを見たが、「断られたらそれで構わない」と畳みかけたおかげで承諾し、腰を上げてくれた。

バカなことをしてるのかもしれない。
でも……オレはわずかな可能性に賭けてみることにした。

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