ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

そのすぐ後、うちの顧問弁護士と社外取締役を引き連れた高橋さんが到着し、今後の対策を練ることになった。

村瀬社長が場を仕切ってくださるということで、社長夫人、お継母さんとキララは帰宅。そして私は――


「待ってくださいっ! ちょっと待って!」

少し付き合え、と言うなり勝手に併設の日本庭園へと歩き出してしまった貴志さんを必死に追っている。

「待ってくださいっ!」

見事な枝ぶりの樹木に横目に芝生を抜け、太鼓橋を渡り……池のほとりで、彼はようやく足を止めてくれた。

「本気なんですか? 私との結婚が援助の条件って」

どうしてそんな余計なことを、と怒りを滲ませ、私はその広い背中を睨みつけた。

「うちの両親は犯罪を犯してたんですよ!? これから先、マスコミに取り上げられて大炎上することはわかりきってます。あなたには輝かしい未来があるじゃないですか! 私になんて関わったらあなたまで巻き込まれて――」

「すまなかった」

振り返った彼にいきなり深く腰を折って謝られ、びっくりした。
何に対しての謝罪なのかとっさに飲み込めなくて、沈黙する。

「な、なん、ですか一体……?」

虚を突かれて戸惑う私を、上半身を起こした彼は少し切なげに見下ろした。

「あの夜……バーで今井から金を受け取ってる織江を見て、気が狂いそうなほど嫉妬した。そして、真相も確かめずに無理やりひどいことを……ほんとに、申し訳なかった」

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