ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
退院したその夜から、心配する私をよそに、彼は際限なく甘く激しく、私を求めてくれる。
昨夜なんかケガの具合を気にする私を、“じゃあ織江が動いてくれ”なんて上に乗せて……ぅあああっ何を思い出してるの、私っ!
淫らな記憶に真っ赤になって悶えていたら――ふわりと、背後から温かな腕に包み込まれた。
「あの時さ」
耳に触れる声がくすぐったくて身をすくめ、「は、はい?」とドギマギしつつ聞く。
「ナイフを持った佐々木が、織江を見ていることに気づいた時。織江を失うかもしれないと思った時。会社のことも自分のことも、何もかも吹っ飛んでた。織江を守ることしか頭になかった。自分の命よりなにより、それが一番大事だと思ったんだ」
「たか、し、さん……」
喉が熱いもので塞がれたみたいに、言葉が出てこない。
ただただ目を潤ませて震える私は、くるりと腕の中で身体を回転されて、彼の整った顔を見上げる。
「だから、疑問を持ったり、謝ったりするくらいなら、傍にいると誓ってくれ。もう二度と、オレから離れないと」
そう言いつつ、彼が取り出したのはロイヤルブルーの小箱。
息をのむ私の前で、蓋が開く――中に入っていたのは、ダイヤモンドが眩く輝く指輪。
「こ、これ……って」
「さすがにあのプロポーズはノーカンだろ」
苦笑いしながら、彼がゆっくりと片膝をつく。
「お義母さんの前で、もう一度ちゃんと言おうと決めていた」
「貴志、さん」
「世界中の誰より、織江を愛してる――オレと結婚してくれ」