ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

真っすぐ届く眼差しに、嘘はないと今なら信じられる。
いろんなことがあったけど、すべてがこの愛に繋がっていると、今なら思える。

もう感情の波を止めることなんてできなかった。
こみ上げてきた熱いものは瞬く間に決壊し、頬を濡らしていく。

「ふ……っ……ぅぇ……」

「織江、返事は?」

「っ……は、いっ! はいっよろしく、お願いしますっ」

涙声でたどたどしく頷くと、ホッとしたようにくしゃりと頬を緩めた彼が、その指輪を私の左手薬指にそっとはめてくれた。

「おいで、織江」

立ち上がった彼が腕を広げ、私はそこに飛び込んだ。
馴染んだ体温と匂いとに包み込まれて、幸福をかみしめるようにその胸元へ頬を摺り寄せる。

「ふ……可愛すぎ」

涙を拭ってくれていた優しい指先が、頬へ、顎へと滑り……私の顔を持ち上げた。
キスの角度へと。

訪れる甘い瞬間を予感して、ドキリと胸が高鳴った、のも束の間。



B・B・B・B……


密着していたせいか、ポケットに入れた私のスマホの振動に、貴志さんの方が先に気づいた。

「ちっ……いいところだったのに」

心底残念そうな貴志さんの顔にちょっと笑ってしまいつつ、スマホを確認――「あ」、と声が出た。
“S”から、ラインのメッセージだ。

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