ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
「え、え、どうしたんですか?」
オロオロ聞き返せば、
「オレがずっと、どれだけその“S”に嫉妬してたと思ってるんだよ」
と恨みがましく言われてしまい、びっくりした。
「し、嫉妬!?」
なんでも貴志さんは、同居初日の着信以来その存在を気にしていたそうで。
キララから私のパパ活について暴露された時は、“S”へお金を貢ぐためなのではと疑ったこともあったみたい。
「ほ、本命なんてそんなっあるわけないじゃないですか! 私が好きなのは、ずっとずっと貴志さんだけですっ!」
両手をグーにして力強く宣言して――ニヤニヤ、嬉しそうな笑顔が私を見下ろしていることに気づき、ハッと口を両手で塞いだ。
「婚約者からそんな熱烈に愛されて、オレは幸せ者だな」
逃げる間もなく腰を素早く抱き寄せられて。
極上の微笑みを浮かべた貴志さんに顎を捕らえられる。
「ほら、さっきの続きするぞ」
もちろん、嬉しいに決まってるけれど……
改めて堂々と宣言されると、やっぱりちょっと恥ずかしい。
「えっと、お、お母さんが、見てますっ……」
「喜んでくださってるさ」
「で、でもっ――」
「もう黙って」
「ん……っ」
そっと塞がれた唇。
降り注ぐ今日の陽光みたいな、優しいキス。
私たちは戯れるようにお互いの唇を食む。
何かを確かめるみたいに、ゆっくり、何度も――
「おやおや、これは失礼。お邪魔でしたかな」