ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
キララというのは、私の義妹だ。
私が8歳の時にお母さんが病死、その後お父さんが再婚して。
その相手と一緒にやってきたのが、3つ下のキララだった。
お母さんが亡くなって、まだ半年も経たない時期。悲しみは少しも癒えてないって言うのに、“この人が新しいお母さんだよ”、なんて言われても、どうすればいいかわからなくて。随分不愛想に迎えたことは覚えてる。
当然相手にもそれは伝わって。『可愛くない子ね』って面と向かって言われた時、あぁこのおばさんを好きになるのは無理だなと、幼心に悟ったっけ。
それでも、妹ができるのは純粋に嬉しかった。
ずっと一人っ子で、兄弟っていうものに憧れていたから。
ところがお継母さんは、私たちが一緒に遊ぶことをよく思わなかった。あげく、私がキララをいじめているところを見た、なんてありもしないことをお父さんに告げ口したりして、めったに会わせなかった。
何をしてもキララだけが褒められ、私の存在は無視される。外食も旅行も、私だけお留守番。
そんな理不尽な扱いが続く中で、良好な姉妹関係を築けるわけもない。
お父さんもその状態を知っていながらかばってはくれず、それどころかお継母さんと一緒にキララだけを可愛がった。まるで本当の娘みたいに。
どうしてなのか訳がわからなかったけど、わからないなりに、小さかった私も足掻いた。
キララは昔からパッと目を引く、お人形みたいに可愛い子で。
外見ではどうしたって適わないから、他のことで頑張ろうと思った。
もっといい成績をとれば、お手伝いをいっぱいすれば、イイコになれば、きっとお父さんだって私を見てくれるはず。
だって、お父さんの本当の子どもは私だけなんだから。
四面楚歌の家の中で、今思い出してもいじらしいくらい努力していたと思う。
でもそんな日々が数年続いたある日、お手伝いさんたちが話しているのを立ち聞きして真相を知ってしまった。
キララも、お父さんの本当の娘だったんだ。
お母さんがまだ元気なうちからお父さんはお継母さんとデキていて、キララが生まれ、認知もされていたという。
浮気とか不倫とか、そういう言葉ももうわかる年頃になっていた私は、お母さんが体調を崩したのはその事実を知ったせいじゃないかと疑い、憤り、絶望し――お父さんに期待するのを一切止めた。
そして、大学を卒業したら絶対にこの家を出ようと、それまで以上に勉強に打ち込むようになった。