ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない
キララも同じことを考えたのか、ますます興味を持ったみたい。
「え、え、どんな人っ? あ、これその人の写真?」
キララがガラステーブルへ身を乗り出す。
しかしその手が届くより早く、素早く封筒を掻っ攫った。これ以上彼女にひっかきまわされたくなくて。
「何よ、ヤな感じ」
ふくれっ面は、けれどすぐに人の悪い微笑みに取って代わる。
「ま、お姉ちゃんみたいな陰キャじゃ断られる可能性大じゃない? お父さんカワイソー、キララが2人いればよかったのにねー」
「はっはっは、キララが2人か、そりゃ百人力だな」
「ほんとにそのとおりね。キララさんなら、どこのおうちでも大歓迎されるに違いないもの」
「でも大丈夫だよ。一星百貨はキララと彰さんでちゃんとやってくから。だからお姉ちゃんは、失敗して当然って気楽な気持ちでお見合いしてきたらいいのよ」
「まぁあああキララさんたら、なんて優しいの!」
もうそろそろいいかな。
この茶番を聞き続けるのはかなりキツイものがある。
この人たちは、変わらない。
昔も今も、これからも絶対に……。
「話がそれだけなら、もう帰ります」
ドアへ向かう私に、誰も声をかけなかった。