ツンデレ副社長は、あの子が気になって仕方ない

「手に入れる、って……」

「もう一度抱きたい」

「……言葉」

「一夜を共にしたい」
言い直すと、ユキがこめかみを指先でぐりぐりと押さえている。

「んーと、ねぇ、貴志はどこかのお嬢様とお見合いするんでしょ? つまり、山内さんとのお付き合いとか将来的な結婚とか、そういうことは考えてないわけでしょ?」

「そうだな」

「……今、全女子を敵に回した自覚、ある?」

憤慨したように言われて、「お互い様だろ」とオレは片頬を吊り上げた。

「向こうだって同じだ。オレに拘ってたわけじゃない。“誰だってよかった”らしいからな。どうやら見合いの前に火遊びがしたかっただけ、みたいだし?」

そう言って今日のやりとりを簡単に説明してやると、ユキは「ほんとにそんなこと、彼女がするかしら」と首を傾げたが、事実なんだし仕方ない。

「人は見かけによらないって言ったのは、ユキの方じゃないか」

「それは、そうだけど……」
なんだかんだ言って、ユキは彼女のことが気に入っているらしい。

「とにかく、一度が二度になったって大した違いはないだろってこと。だから、多少の力業(ちからわざ)を使っても、なんとか彼女を手に入れたい」

「無理やりはよくないですよ?」

心配そうに口を挟む侑吾だが、面白がっているのがバレバレだ。顔が笑っている。
くそっ他人事だと思って……

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