雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
「奈々ちゃん、熱めの湯が気持ちいいね」

ちゃぽんと、お湯が波打つ中で大きな手が動いて、前を隠す私の腕を退けて、私の胸に触れたからびっくり。

「あっ」

両胸の先端を親指と人差し指で摘まれた瞬間、声が。

「あっ、あんっ」
ピリッて電気が走ったような刺激を与えられ続けて声が止まらない。

お風呂内で反響する自分の声が恥ずかしい。
川の音が大きいけど、それ以上に私の声の方が大きい。きっと隣の離れにも私の声は聞こえている。そう思ったら羞恥でいっぱいになる。

「ダメっ、声が、聞こえちゃう」
「いい声だよ」
クスッと笑った声が直接耳の中に響いて、腰がぴくっと浮く。
なんで敏感に反応してしまうんだろう。昔はそういう体質じゃなかったのに。

唇が重なって、唇を食べられそうなキスをされて、キスが気持ちよくて半開きになったら、隙をつくように熱い舌が入って来たから、またびっくり。

肩を竦めて逃げ出そうとしたら、しっかりと後頭部を抑えられて逃げられない。舌を絡め取られ、吸われ、甘い刺激が全部下腹部に伝わって、下半身の奥がじんわり濡れていくのがわかる。

今、濡れた場所を触れられたら恥ずかしいと思ったタイミングで足の間に長い指が入って来るから、雨宮課長はいじわるだ。その上「濡れているのはお湯のせいじゃないね」なんて耳元で言ってくる。そんな事言わなくていいのに。どうして恥ずかしくなるような事ばかり言うの。優しいと思っていたけど、雨宮課長は意地悪な所もある。

浴槽の縁に座らされて、太腿を開かされて、その間に雨宮課長が顔を埋めて、敏感な部分を舐め始めた時は心臓が飛び出そうになった。記憶喪失前の私はどうか知らないけど、今の私は舐められた経験がない。恥ずかし過ぎる。

しかも舐め方が優しい。熱い舌がゆっくりと動いて敏感な部分を刺激するのだけど、傷つけないように丁寧にしてくれている気がする。

奥まで入った長い指もやっぱり触れ方は優しい。
大事に触れてくれているんだと思ったら、胸が熱くなる。そして涙が……。

ぐすんっと声を立てると驚いたように雨宮課長が顔を上げた。

「奈々ちゃん、嫌だった?」
目尻に浮かんだ涙を人差し指で拭ってくれる。
そんな雨宮課長が愛しくて、浴槽の縁から降りて抱き着いた。

「雨宮課長、大好き」
ぎゅっとしがみつくと、雨宮課長も抱きしめてくれた。
< 360 / 373 >

この作品をシェア

pagetop