雨宮課長に甘えたい【2022.12.3番外編完結】
座卓の上には中居さんが用意してくれた彩りが綺麗な前菜とか、仙台黒毛和牛の焼き物とか、お刺身とか、天ぷらなどのお料理が並んでいて、大変美味しそうだけど、まだお風呂での火照りが取れなくて、頭がボーっとしている。

中居さんが「ごゆっくり」と言って、出て行ったあと、雨宮課長と2人きりなんだと思ったら、さらに体温が上がった気がする。

向かい側の浴衣姿の雨宮課長と顔を合わせるのも恥ずかしい。
お風呂でさんざん、恥ずかしい事をしたというのに。

それにしてもさっきの出来事は衝撃的だった。
雨宮課長があんな事をするなんて……。

天ぷらをパリパリと美味しそうに食べている雨宮課長の口元を見ていたら、雨宮課長の唇が私の敏感な所に触れた事を思い出して、かあっと体が火照って来る。

いや、もう、あの事を考えるのをやめよう。今はご飯。これが一番の楽しみだったんだから。仙台黒毛和牛。うわっ、口の中に入れた瞬間、お肉がとける! 中トロのお刺身も美味しい。エビの天ぷらも。

「奈々ちゃん、お酒注ごうか?」
雨宮課長に話しかけられて、心臓がドキンっ!

「あ、は、はい」
雨宮課長の顔をまともに見られない。なんでこんなに恥ずかしいの。鼓動がまた速くなって来るし、顔が熱くなってくる。

徳利を持って、雨宮課長がお酒を注いでくれるけど、空の盃を持つ手が震える。あっ、零れそう。

「危ない」と言って、雨宮課長が徳利を置いて、盃を持つ手を支えてくれる。雨宮課長の温かい手に触れた瞬間、心臓が高鳴って……気づいたら唇が重なっていた。
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