だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜

77.束の間の休息4

「よし、結界完成ー! 皆、終わったよ!」

 我ながらなんと素晴らしい結界。これならきっと皆褒めてくれるだろう! ウッキウキで振り返った私に待っていたものは──

「「「「「「……………」」」」」」

 ──唖然とした人達による、長い沈黙だけだった。
 え、何で?! 褒めてよ、私褒められてもおかしくない事したのよ! 何で誰も褒めてくれないのよ!!
 むぅ……この場にシルフや師匠がいたら絶対褒めてくれたのに……『流石だねアミィ! ボクが見込んだだけはある! 天才!!』とか『やっぱ姫さんには敵わないっすわァ……恐れ入りますよホント』って褒めてくれたもん!

 まぁあのヒト達は私に甘い所あるから、実はいつもお世辞で言ってただけで本当は別にそんな大した事も無かったのかもしれないけど。
 でもお世辞でも褒めてくれたっていいじゃん……私みたいなチョロい王女は適当にヨイショしとけばいいのに何でそうしないんだろうディオ達は。
 接待とか忖度知らないんだろうなぁ……今度教えてあげよう。そしたら多分今度からは褒めてくれるから。うん、そうしよう。

 その後、めんどくさい性格の私は全然褒めて貰えなかった事を根に持ち拗ねていた。その所為かちょっとだけつっけんどんな態度を取ってしまった。
 そのまま夕食を食べそのまま荷台で一人で寝た。最初は皆と同じように外で寝ようとしたが、それだけは駄目だとリードさんとイリオーデに言われ、マクベスタが激しくそれに同意していたのでこうなった。
 この荷台、座っている分には何人かいられるものの、足を広げて寝転がるとなれば……大人二人と子供一人が限界といった所。

 なので私一人。シュヴァルツも一緒に荷台で寝るかと聞いたのだが、ディオとイリオーデとリードさんが駄目だと主張したので、渋々シュヴァルツも皆と一緒に外で寝る事にしたらしい。
 まぁ私拗ねてたし。一人で丁度いいというか。助かるといいますか。えぇ。
 そうして、私は一人きりの荷台で初めての野宿の夜を迎えた……。
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