だいたい死ぬ悲運の王女は絶対に幸せになりたい!〜努力とチートでどんな運命だって変えてみせます〜
「ア? おい、何かガキが二人いるぞ。どっちも侍女の服着てやがるが……こいつ等しか侍女いねぇのか?」
「皇宮にいるっつー事は、そこそこの貴族のガキの可能性も高いわな」
「てか二人共結構可愛くね、俺ちっこい方なら全然イけるわ」
「お、まえ……っ、やばすぎんだろ……!」
「やべぇっ、こいつやっぱり変態だ」
侵入者が角を曲がると、その先に二人の侍女服を着た子供の姿が見えた。
くだらない話をしながら、下卑た笑みを浮かべおもむろに近づいてくる侵入者を、ナトラとシュヴァルツは汚物を見るような目で睨む。
「なんじゃあやつ等、気色悪い顔しおって」
「生まれつきそういう顔なんでしょ」
小声で辛辣に会話するナトラとシュヴァルツ。そんな二人をいつでも捕まえられるようにと侵入者は半円状に広がり、そして二人に声をかけた。
「なァお嬢ちゃん。ここにいる野蛮王女っつーお姫様、知らね?」
「俺達その女に用があってさぁ〜」
「お嬢ちゃんお兄さんと一緒に来ない? 美味しいもの食べさせてあげるから」
「あったかくて太いモン食わせてやるからさ?」
「うわっ、お前最低かよ!」
男達が下劣な笑い声を響かせる中、シュヴァルツとナトラはその瞳から光を消していた。それは何故か──侵入者《ゴミ》の目当てがアミレスであると知ったからである。
ただの侵入者ならば、ある程度ぶん殴って野犬の餌にでもして済ませていただろう。しかしことアミレスが関わる事ならば……二人とて生半可な対応では済ませられない。
きちんと、然るべき対応をせねばならなくなったのだ。
「…………ナトラ、分かってるね」
「…………ああ、分かっておる」
男達の笑い声の中、シュヴァルツとナトラは短く言葉を交わす。そして、俯いていた顔を二人同時に上げた。
「──殺すなよ」
「──殺さぬとも」
殺意の籠る二人の瞳に男達が睨まれ、その威圧感にたじろいだ刹那。ナトラの姿が男達の視界から消え去る。
しかしその直後、一人の男が頭から地面にめり込んだ。陥没する床、その男の頭の上に足を乗せる一人の幼女の姿。
目の前で起きた事に驚き、理解の追いつかぬ男達はその場から一歩も動けなかった。それが……男達にとって命取りとなる。
「皇宮にいるっつー事は、そこそこの貴族のガキの可能性も高いわな」
「てか二人共結構可愛くね、俺ちっこい方なら全然イけるわ」
「お、まえ……っ、やばすぎんだろ……!」
「やべぇっ、こいつやっぱり変態だ」
侵入者が角を曲がると、その先に二人の侍女服を着た子供の姿が見えた。
くだらない話をしながら、下卑た笑みを浮かべおもむろに近づいてくる侵入者を、ナトラとシュヴァルツは汚物を見るような目で睨む。
「なんじゃあやつ等、気色悪い顔しおって」
「生まれつきそういう顔なんでしょ」
小声で辛辣に会話するナトラとシュヴァルツ。そんな二人をいつでも捕まえられるようにと侵入者は半円状に広がり、そして二人に声をかけた。
「なァお嬢ちゃん。ここにいる野蛮王女っつーお姫様、知らね?」
「俺達その女に用があってさぁ〜」
「お嬢ちゃんお兄さんと一緒に来ない? 美味しいもの食べさせてあげるから」
「あったかくて太いモン食わせてやるからさ?」
「うわっ、お前最低かよ!」
男達が下劣な笑い声を響かせる中、シュヴァルツとナトラはその瞳から光を消していた。それは何故か──侵入者《ゴミ》の目当てがアミレスであると知ったからである。
ただの侵入者ならば、ある程度ぶん殴って野犬の餌にでもして済ませていただろう。しかしことアミレスが関わる事ならば……二人とて生半可な対応では済ませられない。
きちんと、然るべき対応をせねばならなくなったのだ。
「…………ナトラ、分かってるね」
「…………ああ、分かっておる」
男達の笑い声の中、シュヴァルツとナトラは短く言葉を交わす。そして、俯いていた顔を二人同時に上げた。
「──殺すなよ」
「──殺さぬとも」
殺意の籠る二人の瞳に男達が睨まれ、その威圧感にたじろいだ刹那。ナトラの姿が男達の視界から消え去る。
しかしその直後、一人の男が頭から地面にめり込んだ。陥没する床、その男の頭の上に足を乗せる一人の幼女の姿。
目の前で起きた事に驚き、理解の追いつかぬ男達はその場から一歩も動けなかった。それが……男達にとって命取りとなる。