ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
「妹と、お会いになったようですね?」
「会った。今後の方針も話し合って決めさせてもらった」
「一族の者を巻き込むつもりはなかったのですが……」

 イリアは、自分の仲間については語ろうとはしなかった。罪は自分ひとりのものだから、と。そういう意味では、彼女は潔かったのかもしれない。

「それと――定住する場所は、俺の方で用意させてもらった。あなたのやろうとしたことは、ひとまず達成できたと思う」
「感謝いたします、陛下」

 シアは、呪いをかける側であったイリアしか知らない。こんなにも、穏やかな表情をする人だとは思っていなかった。アンセルムが母を慕うのも当然である。
 客人を招くことは想定していないから、急きょ椅子が人数分用意されたらしい。少し、部屋が狭く感じられる。

「今日は、母上に言いたいことがあってきたんです」

 ぎゅっと拳を握りしめたアンセルムは、思いきった様子で切り出した。

「母上のやったことは、間違いだったと僕は知っています。そうなる前に、僕に相談してほしかった」

 まだ十歳。けれど、もう十歳。
 アンセルムは、幼いなりに母の抱えた問題を解決しようとしている。

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