ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 禁じられている術を使い、貴族の家に潜り込み――そして、王妃という地位にまで上り詰めた。なにも持っていなかった彼女がそこまで到達するには、口にはできない苦労があったはず。

「――それは、間違っています」

 そう口にしたのは、幼い子供だからこそ口にできるあまりにも真っ直ぐな正義感なのかもしれなかった。

「ええ、あなたが正しい。私は間違っていた。誰かを犠牲にすべきではなかった」

 イリアの目は、アンセルムを通り越し、その先にいるエドを見ていた。エドは、わずかに首を縦に動かした。

「あなたにも、きっと、相談すべきだったのでしょうね」

 そう、続ける。もし、イリアがそうしていたら――シアは思わず夢想した。
 エドは、なんらかの形で、魔女達に生活のための場を作ってやっただろう。そうしたら、イリアも魔女達のところに戻ることができた。
 アンセルムと離れることなく、アンセルムに自分の知識を手取り足取り教えてやることもできた。
 でも、彼女が選んだのは別の選択。そして、彼女にはここでやらなくてはならないことがある。

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