ループ11回目の聖女ですが、隣国でポーション作って幸せになります!2
 エドは、きっと、他の人を受け入れようとはしない。それは、ヨアキムももっと早いうちに気づいていた。

(……折れるべきは、俺の方かもしれませんね)

 信頼できる人と言いきった時のシアの声音が耳の奥によみがえる。シアは気づいているだろうか。その声音に、ただの信頼だけではない甘さがにじんでいたことを。
 ヨアキムの立場からすれば、進めるべきは国内貴族との縁談。だが、エドがそれをよしとしないのならば、次の手を探した方がいい。
 とりあえず、動けるうちに動いておこう。
先方に、打診をするだけならば誰も文句は言うまい。

 * * *

 

 一族の者達が移住を始めたのは、それからすぐのことだった。ふもとの街ザウドから少し離れたところに、新しく魔女達の居住区を設ける。
 とはいえ、ヴォラスを慰める者達と口にすれば、危険視されかねない。彼女達を再び歴史の中に埋もれさせるわけにはいかない。
 そんなわけで、彼女達は「国王が私的に依頼して遺跡の調査にあたる者」としての地位が与えられることになった。
< 289 / 302 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop