罪と愛
「ふふふっ…あーおかしい。私,騙されたのね? どうして?」

「あなただからです。覚えてないですか? …桜庭(さくらにわ) もか先輩」

「……? あら?」

「思い出しました?」



本名(フルネーム),身元がバレるなんて危険すぎるのに。

彼の顔から,1人思い当たる人間がいた。



「真,真,ねぇ。もしかしてあなた,小鳥遊(たかなし)くん?」

「あたり,です」


高校時代,割りと仲が良かった部活の後輩。

それがなんでまた。



「それで? まさか驚かせたくて,なんて言わないわよね勿論」

「はい。この状況だけで充分だとは思いますが…」

「いいえ,説明はいらない。充分よ。何故私のところへ来たの?」

「先輩は,変わりませんね」

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