大嫌いと言われた元カレに再会したら、息子ごと溺愛が待っていました
第五章

氷が溶けて常温になったグラスを傾けながら、渇いた喉を潤した。まだ身体は熱を帯びていて、心地好い疲れに包まれている。

「私……最初からあなたには釣り合わないって決めつけて、あなたのお母さんの理解を得ようともしなかった。今度は、ちゃんと認めてもらえるように頑張るわ」
「寧子が心配してるようなことにはならないから。大丈夫だ」

ソファーに座る私の頭を抱えた彼が、額に口づけてくる。

「そう?」

彼のお母さんがそう簡単に私を認めてくれるとは思えない。だが、納得してもらえるまで言葉を尽くせばいい。

「明日、起きたら……秀也に言うね」
「あぁ。それは、緊張するな」

彼にとっては秀也に父親だと打ち明ける方がよほど重大なことらしい。ソファーに座って頭を抱えてしまった彼の背中をぽんぽんと叩く。

「大丈夫だと思う」
「そうか?」

今度は心配する側とされる側が逆になってしまった。くすくすと笑いを漏らすと、恨めしげに見つめられる。

「だって、二人そっくりだもん。ほら、写真見る?」

私はスマートフォンに保存した写真を拓也に見せる。何年か前にお祭りで撮った写真を見せると、彼は小さく「俺がいる」と言った。

「やっぱり? 小さい頃も似てたんだね。じゃあ赤ちゃんのころは?」

画像データをスクロールしていくと、私自身も懐かしいと思う写真がたくさん出てきた。
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