大嫌いと言われた元カレに再会したら、息子ごと溺愛が待っていました
「これは生まれた日に撮ったの。まだ名前が決まってなかったんだけど、子どもができたらどちらかの名前を一文字つけたいねって話を思い出して。私、未練たらたらだったのね……秀也、なんてつけちゃった。拓人《たくと》にするか迷って。でも間違えて、拓也って呼んじゃいそうだったから……」

悲しいわけでもないのに涙がこらえきれない。

「秀也を育ててくれて、ありがとう」

別れを告げたあの日。彼の目には憂いがあった。妊娠への動揺が見て取れた。けれど今、真っ直ぐにこちらを見つめる瞳には、喜びと愛しさしか浮かんでいない。それが嬉しい。

「うん」

頬を伝う涙を拭われて、慈しむように唇が重ねられた。
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