23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
俺は、立ち上がるとデスクの1番上の引き出しを開けて、『綾乃』とネコが刺繍された白いハンカチを手に取った。

「なぁ、俺じゃダメかよ……」

美弥は、時期社長の肩書きを持ち、独占欲の塊みたいな俺といるのが、やっぱり窮屈なのかもしれない。

けれど、いつも食事を作って、たわいもないことで笑ってくれる笑顔も、偽りだったんだろうか。無理をしていたのだろうか?

ーーーー途端に、何もかもが、分からなくなってくる。

いつか美弥が俺の事が好きだと言ってくれるんじゃないかと思ってた。何気ない日常が、美弥のいる日常が当たり前で、幸せを感じるようになっていたから。美弥のいない、日常なんて、もう俺には考えられないほどに、美弥に夢中だから。

俺は、スラックスのポケットに、美弥のハンカチを突っ込むと、資料を片手に、部屋を後にした。
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