23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「今思えば、一目惚れってやつ?俺さ、てっきり名前が、綾乃だと思ってたから、あの後、美弥を探したけど見つけられなくてさ……。コンビニで、美弥見つけた時は、マジで運命だと思った」

「じゃあ、颯は、私の事、知ってて、連れ帰ったってこと?」

「当たり前だろ。……あのな、俺は見境なく、野良猫は、拾わねぇからな。美弥とミャーだけ。マジで、何回、本気って言えば、わかんだよ」

久しぶりに見た、颯の拗ねる姿に、唇が緩んだ私をみて、颯が人差し指で、ツンとおでこを弾いた。

「嬉しそうにすんな、襲いたくなる」

颯の指先一つで、魔法に掛けられたみたいに、顔も心もあったかくなる。

「じゃあ……颯の婚約者の人は?……私が、颯の側にいてもいいの……?」

「え?あ、本人から聞いてない?」

「本人?」

颯が、唇を引き上げながら、ニヤリとその人物の名前を口にした。

「俺の婚約者、麻美だから」

「えぇっ!」

あまりの驚きに、思わず大きな声が出た。
麻美が、颯の婚約者?でも麻美は、好きな人がいるって……。

「俺の親父と星川社長は、仲が良くてさ、この間も早く孫が見たいって、親父から電話あってさ……」

「あ、あの時、バルコニーで、颯が、電話してた相手って」

「そ、親父。で、親父と星川社長は、俺らを結婚させたがってんだけど。生憎、麻美も俺もその気ねぇからな。ちなみに、麻美が教えてくれたんだ、美弥が、北沢の家に連れて帰られたかも、ってメールくれてさ」

「そうだったんだ……」

颯の言葉に途端に安心して、体の力が抜けそうになる。
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