23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「恋なんてさ、そんなもんだろ。結局、生まれとか、育った環境とか関係なしで、自分が惚れた女としか、生涯共には、生きていけない。だから俺は、美弥としか結婚したくない」

颯の掌が、グイと私の顎を捕まえる。

「で?」
「え?」

「俺に何か言いたいことあんだろ、言えよ」

見つめられた颯の切長の綺麗な瞳に、小さく私が映り込む。今、颯は、私だけをみつめて、私だけを映してくれている。

「私ね……私、颯の事が……」

颯の瞳に吸い込まれそうになりながら、ようやく、私は、颯にその言葉を口にする。

「好きだよ」

「おせぇよ」

颯は、ぶっきらぼうにそれだけ言葉に吐くと、私の唇を優しく包み込んだ。

暫く、ほったらかしにされていた唇は、颯の甘い口づけで、時が止まるほどに幸せだった。

夜空に瞬く星々が見守る中、波の音に合わせて、何度も熱を交換しながら、仄かな月明かりの下で、私達の影も心も一つになった。

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