23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「早速、婚約者の俺に嘘()くとか、いい度胸だな、美弥」

限界まで我慢していた涙が、コロンと転がるのと同時に、颯が、優しく私を抱きしめた。

「目尻、真っ赤だから」

「……うっ……ひっく……」   

颯は、私の髪をそっと撫でながらは、耳元に唇を寄せた。

「あのさ……実花子に何言われたか知んないけど、もう終わったことだから。……どうせ、俺の女遊びの事でも言われた?」

思わず、颯を見上げた私を見ると、颯が、意地悪く笑った。

「当たりか。そうだよ、今まで、女なんてセックスできればそれで良かったから……でも美弥は違うから」

「……どうして?どう、して……私は、違うの?」

その理由が知りたい。何故、颯が私を他の女の子と違うと言い切れるのか。こんなにも、優しく抱きしめてくれるのか。

颯が、少しだけ宙を見ると、困った顔をしている。

「颯?」

「美弥は、俺のシンデレラだから」

颯の大きな掌が、私の頬に再び触れる。

「……え?」

そのまま、颯が私の頬を顎ごと持ち上げると、口角を上げた。

「もう、俺に、黙ってキスされとけ」
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