23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
ーーーー今日もまた、颯と一緒の朝がやってきた。

私の目の前には、上下黒のスウェット姿に、いつもは整髪料で、キチンと整えられた前髪が、下りたままの颯が、欠伸をしている。

「おはよ」

「あ、おはよ。ご飯出来てるから食べよ」

私は、颯とこうやって、寝起きし、共に朝食を摂ることにも、少しずつ慣れてきていた。

思い返せば、初日なんて、ダイニングテーブルで向かい合っている、綺麗な顔の颯に、緊張しすぎて、お箸の使い方も、いつもどうやってご飯を食べていたのかも、わからなくなる程に、心臓が煩かった。

「うま。やっぱ美弥、料理上手いな」

「そ……かな?」

颯は、私が朝食に作った、お味噌汁をすすりながら、美味しそうに昆布のおにぎりを頬張った。 

「美弥、今日どこか行きたい所ある?」

「え?会社は?」

颯の家に連れてこられてから、曜日感覚が鈍っているが、昨日は、水曜日の定休日で、今日は、木曜日だから、出勤日の筈だ。

「俺は有給。美弥は病欠って、さっき連絡しといたから」 
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