23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「何?昨日の俺の仕事ぶりに惚れた?」

「えっ!何でっ?」

「わかりやすいな」

颯は、綺麗な瞳を細めながら、さっきよりも、もっと意地悪な顔をしている。

でも、私は、そんな颯の見たことない顔と姿を見た事で、安堂不動産の時期社長である颯の側に、本当に私が側に居てもいいのか、不安になっていた。

この間の初めてのキスから、もう、どうしたらいいのか分からなくなっている位、颯に惹かれてしまっているのに。

「で?」

「え?で?」

「俺の隣に居るの不安になった?」

颯が、ずいっと体をテーブル越しに寄せて、俯きそうになっている私を覗き込んだ。


ーーーー何でわかっちゃうんだろう……。


「てゆうか、今日、美弥と出かけたいから、昨日、仕事片したんだけど?」

颯は、手を伸ばすと、目を丸くした私の額をコツンと突く。

いきなりのズル休みは、かなり気が引けるが、颯と何処かに行きたい気持ちの方が、やっぱり(まさ)ってしまう。

「早く言えよ。どこ行きたい?俺は、ベッドでもいいけど」

この意地悪く唇を持ち上げる、颯の顔に私は弱い。行ってみたいところは沢山ある。でも私が、一番行きたいのは……。

「動物園……かな」

「お前な、ミャーだけじゃ物足りねぇのかよ」

呆れたような顔をしながらも、颯が、私に悪戯っ子みたいな視線を向けた。

颯の膝の上を見れば、食事を終えて、すっかり颯に慣れた、ミャーが、ゴロゴロと喉を鳴らしている。
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