23時のシンデレラ〜ベッドの上で初めての魔法をかけられて〜
「どした?」

「家の退去手続きと荷物っ……」

大家さんから、前日までにと言われていたのに、すっかり忘れて、今日は、退去日当日だ。

慌てる私を、面白そうに眺めて、颯が、ふっと笑った。

「俺を誰だと思ってんの?美弥の事、何でも分かるから」

ーーーーピンポーン

「きたきた」

颯が、立ち上がると、オートロックを、解除する。

「え?颯、まさか……」

チラッと見えたインターホン画面には、業者らしき人が、数人見えた。 

(あれ、あの業者さんの制服……)

颯が、玄関扉を開けると共に、威勢の良い声が響き渡る。

「ありんこさんマークの引越センターです、宜しくお願いしまーす!」

「どうも、全部寝室に運んでくれる?あ、食器は勿論キッチンで」

テキパキと数人のガタイの良い男性が、私のチェストや衣装ケース等を寝室に運んでいく。

「えっと、颯……」

「今日から、本格的に同棲だな」

同棲という言葉に、心臓がとくんっと弾けた。
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